前略、アララト山より

書きたくなったら書く

ともだち

今回は私の小中学の同級生について紹介しようと思う。といっても彼と親友という間柄になったのは同じ部活に入った中学の頃からである。

 

彼は(無意識なのか分からなかったが)誰に対しても笑顔で接していたのが印象的であった。それは決して偽りの表情ではなかった。真摯に向き合っていた。今思えば、彼は何事にも本気で立ち向かっていたように感じる。そんな姿を見て私は不思議と「嫉妬と憧れ」を感じていたのだった。

或る時彼とカラオケに行く機会があった。彼のほうから私を誘ってくれたのだった。彼が最初に選曲したのはBUMP OF CHICKENの天体観測。いつも最初に歌っているという彼の天体観測はかなり上手だった。ただ上手いのではなくそこに音楽のセンスを感じ、私は只々圧倒されるだけだった。

 

彼だけではない。私はその才能や性格、考え方などを吸収すべき人を中学の3年間で沢山見てきたように思う。

他人の行動を見るだけならタダで幾らでもできる。しかし、それらを自分の中で吟味し自分の行動に移さなければ何の意味もないのである。誰だってそんなことくらいは分かっている。だが、中学生の私にはそこまでの考えが備わっていなかった。

 

現在彼は、都内のとある高校でバンドのボーカルを担当しているようである。「よう」なのは、約1年前Twitterで中学のことを検索していたら偶然彼のアカウントを見つけたからである。連絡を取るべき場面ではあったのかもしれないが、自分が今の高校に進学した理由を考えると自然とそれをしようとは思わなかった。それだけの薄っぺらい覚悟でこの高校にやってきた、そんな気持ちが湧いてきたのだ。アホらしい。

 

そんな彼のバンド活動が楽しいものであってほしいという届かぬ想いを込めて、結びとする。

 

 

また書きたくなるときまで